2021/08/02

ブドウ園で野外授業を行いました

2021.08.02_budouzyugyo1.jpg528日、大野町立北小学校の6年生を対象にブドウ園で授業を行いました。
大野町内での職業体験や、大野町の良いところを知ってもらうことで、地元で暮らすことに自信をもち、地元に愛着をもって成長してもらいたい、その一環として大里研究所においても授業を行って欲しい、という学校側からの連絡を受け、今回の授業を実施するに至りました。
今年は例年より早く梅雨入りし、雨の日が続いていましたが、この日は天気に恵まれました。

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子どもたちにProject ORI WINEについて説明

大里研究所 理事長の林よりProject ORI WINEについて、柿農家の高齢化により休耕地となってしまった畑の活用方法を考えて欲しいと、町からの依頼で始まったこと、また、化学的な肥料 農薬を使わずBIOでの栽培を行っている、ということを説明しました。

林の説明の後、質問が多くありました。
なぜブドウを栽培しようと思ったのか?
なぜ地域名産の富有柿を栽培しないのか?
なぜ品種としてピノ・ノワールとシャルドネを選んだのか?
ブドウ作業で大変な時は?
など。

林からは、柿の栽培との共存のため、ブドウの栽培を始めたこと。難しいことにチャレンジする方がやりがいをもてるので、栽培が難しいとされるピノ・ノワールとシャルドネを選んだと伝えました。
また、シニアの方がプロジェクトに携わり、新たな夢をもつことで病気の予防ができること、そして、それにより医療費が削減できた分が、このプロジェクトの本当の意味での利益となることを説明しました。
BIOでブドウを栽培することで、春には畑一面にタンポポがさき、ミツバチやアゲハチョウなどの虫たちが畑を飛び回ります。隣接する山からは鳥たちのさえずりや、獣たちの鳴き声も。

今回授業を行った6年生が4年生だった時には、ホタルを通して環境について学ぶ授業を1年間行いました。
BIOによる栽培で、虫や動植物を大切にすることは人間にとっても大切なことである、ということを説明しました。

2021.08.02_budouzyugyo3.jpg質問に答える大野町シルバー人材センターの高橋さん

また、大野町シルバー人材センターの人たちに向け、「なぜ働こうと思ったのですか?」という質問もあり、シルバー人材センターの高橋さんからは、第一線を退いて手が空いた方たちの、健康寿命を伸ばすのがシルバー人材センターの目標である、という答えがありました。

授業後半は、子どもたちと大野町シルバー人材センターの方たちとともに、ブドウ園で実の周りの葉取り、副梢除去の作業を行いました。
梅雨に入ったこの時期は雨や湿度上昇により病気にかかりやすく、収穫にも大きな影響を与えます。
実の周りの葉を落としたり副梢を除去することで、風通しがよくなり、病気を防ぐことができます。

この日は気温も上がり、全員汗だくになりながら、一生懸命作業を行いました。
子どもたちには、12株ずつ作業を行ってもらい、終わった子は作業が完了したかをスタッフが確認の上、どんどん作業を進めてもらいました。
多い子は1人で6株完了した子もおり、「こんなにやったよ!」と誇らしげな様子でした。
作業後にみんなで休憩をとった後、研究所の清水から質問はありますかと尋ねると、たくさんの質問が飛び出しました。

Q. このブドウを食べたことはありますか?
A. あります。ワイン用のため実は小さいです。栄養が詰まっており、ジュースは甘くて美味しいです。
ブドウ畑はこの斜面に10個ありますが、畑によって味が違います。
ワインは同じ品種のブドウを育てても、育てる場所ごとに味が変わります。
つまり、このワインはこの場所独自の味であり、世界に一つです。

Q. このブドウ園がある土地の環境はどうですか?
A. ブドウはアルカリ性を好みます。
ブドウ園があるこの山では石灰が取れます。つまり土地はアルカリ性です。
また、扇状地になっており風が通るためフルーツ栽培に適していると言えます。

Q. ワインの名前はなんですか?
A. 赤ワインと白ワイン、2種類できました。
赤は「ROSE ORI(ロゼ オリ)」と言います。「ロゼ」は赤と白を混ぜたワインです。
大野町はバラの町です。夜来香というバラを作ったサンローズの青木さんに、大里研究所のために「ROSE ORI」というバラを作ってもらい、その名前ともかけています。
このバラはサンローズさんによりフランスのコンテストに出品中です。
白は「Clover Leaf(クローバーリーフ)」と言います。

Q. シルバーさんにとってブドウの作業とは?
A. 1年目は訳もわからず作業をしていました。2年目となる今年は、どうやるのが効率が良くできるか、考えながら作業ができるようになりました。

子どもたちにとって、作業をする前と後とでは、ブドウ園や農作業に対する考え方も違って見えたのではないでしょうか。「また作業したい!」という嬉しい感想を言ってくれる子もいました。
来年中学生になる子どもたち。
大野町の魅力の一つとして、このブドウ園を覚えてくれると嬉しいです。

2021.08.02_budouzyugyo4.jpgたくさん質問があがりました

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